将棋指しは王手飛車の夢を見るか

観る将であり指す将。将棋の話題と勉強のメモをつらつらと更新します。目標はアマ初段!

師匠・杉本昌隆七段に勝った藤井聡太六段

王将戦の一次予選で、藤井聡太六段と杉本昌隆七段の対局があり、千日手を挟んだ指し直し局に藤井六段が勝利しました。再び伸ばしている連勝はこれで14になりました。

弟子が師匠に勝つことを一種の「恩返し」と呼びますが、局後のコメントでは杉本七段のほうが「お礼を言いたい」と述べています。杉本七段は、自身がプロデビューする前に師匠が亡くなってしまわれたので、恩返しができませんでした。そうした経緯から、今回の一局は感慨深いものであるのでしょう。

あるいはあの羽生善治を超える逸材であるかもしれない藤井六段を弟子に持つということは、いったいどんな気持ちなのでしょうか。まだ十代の男の子を、万が一自分の指導のせいで悪い影響を与えてしまったらどうしようか、そんなことを思ったりするのでしょうか。

藤井六段が四段に昇段するときの文章が、以下のサイトに公開されています。

『師匠の言葉』 藤井聡太 四段昇段の記~将棋世界2016年11月号より|将棋情報局

 

快調に二段まで昇段した藤井六段は、杉本七段から「10月の三段リーグに昇段するように」と言われます。およそ半年後の三段リーグです。しかし、藤井六段をこれをほんのわずか間に合わずに逃してしまい、三段リーグに上がった半年後でした。

そもそも、中学生が三段リーグに上がること自体がめずらしいことです。近年は特にレベルが高くなっている三段リーグには、実力はありながらなかなかプロになれない若手が多くいるのです。

にもかかわらず、藤井六段は自身のペースを早いものだとは感じていませんでした。初めての三段リーグを「実質二期目」と考えたり、その後に一期で三段リーグを抜けた時も「半年間の遅れを取り戻すつもりで」と語っています。すべては、師匠に言われた昇段の時期を遅れてしまったことからくる気持ちなのでしょう。

杉本七段がどういう思惑で激励したのかはわかりませんが、もし狙い通りに三段リーグに上がり、一気抜けすれば、4月にはじまる順位戦にぴったり間に合うという公算だったのでしょうか。

いずれにせよ、藤井六段はこうしてプロ棋士として大活躍していますし、タイトル獲得も時間の問題だと思われています。杉本七段には、一人のプロ棋士としてはもちろん、藤井六段の師匠としても胸を張っていてほしいと思います。