将棋指しは王手飛車の夢を見るか

観る将であり指す将。将棋の話題と勉強のメモをつらつらと更新します。目標はアマ初段!

【朝日杯】藤井聡太五段が優勝

朝日杯でした。藤井五段は羽生竜王に勝ち、決勝で広瀬八段を破って棋戦初優勝、そして六段へ昇段しました。わずか半月の藤井“五段”でした。

王者との戦い

羽生竜王との準決勝は藤井五段が先手、相居飛車の出だしから角換わりになるかと思われましたが羽生竜王は角交換を拒否し、雁木囲いに組みました。

藤井五段が端からの打開の気配を見せるも羽生竜王もそれを許さず、そうしたら銀の効きを中央に厚くして仕掛ける藤井五段、ニコニコ生中継で示される平成将棋合戦ぽんぽこの評価値は、先後に±300ほどの間で揺れる緊張感のある将棋でした。

そこで飛び出したのは羽生竜王の82手目9九銀。いきなりの銀打ちに「羽生マジックか!?」とざわつくニコ生のコメント、しかし直後に示されたぽんぽこの評価値は、先手藤井五段へのおよそ+1000を示していました。急転直下の形勢の変化に視聴者の興奮は高まりました。

このなんとも怪しい9九銀、コンピュータの評価値を知る我々には、どうやら悪手らしいということはわかりますし、局後の感想では羽生竜王もすでにこの局面で苦しさを感じていたそうです。しかしそうしたことはまったく知らない藤井五段、これまで多くのマジックで驚愕の将棋を実現してきた羽生竜王からの一手に、慌てることなく驚くほど冷静でした。

そこからは、先手の飛車が成り込み、先手も反撃しますが藤井五段の勢いは凄まじく、最終的は後手玉は5五の地点まで逃げたところで投了となりました。

永世竜王を獲得し、いまも棋界のトップクラスにいる羽生竜王を倒した藤井五段の恐ろしさは本物でしたし、以前より明らかに強くなっている印象を受けました。

そして、朝日杯では、久保王将を倒した広瀬八段と決勝を迎えます。この対局、またしても将棋ファンは彼の恐ろしさをまざまざと思い知ることになります。

 振り穴王子と角換わり

 かつて振り穴王子と呼ばれた広瀬八段との対局は、藤井五段の先手で角換わりになりました。藤井五段の得意な形を広瀬八段が受けて立った格好です。

将棋は中盤の入り口まではほとんど定跡通りに進むよくある展開で、盤面を広く使った攻めを仕掛けて行きます。藤井五段が攻めきるか、広瀬八段が受けきるかという将棋ですが、解説では、攻めを繋ぐのはなかなか大変という話でしたね。

藤井五段の緩急をつけた攻めが続き、果たしてこのまま攻めきれるのかと心配されたところで藤井五段が93手目に指した4四桂馬が絶妙でした。仕掛けは明解ながらとても一分将棋で見えるような手ではなく、これは藤井聡太の4四桂馬として語り継がれそうな一手でした。将棋はこれで先手良しとなり、藤井五段が間違えることなく、上部を圧迫された後手が投了となりました。

こうして藤井五段の棋戦初優勝が決まり、規定により六段へ昇段しました。各中継でも注目度はとても高く、先日の29連勝に続く大きなニュースとなりました。

これからはますますタイトル獲得が期待される藤井六段。今後のさらなる成長が楽しみです。