将棋指しは王手飛車の夢を見るか

観る将であり指す将。将棋の話題と勉強のメモをつらつらと更新します。目標はアマ初段!

【新人王戦】藤井五段vs古森四段

新人王戦で藤井五段の対局がありました。新人王戦は六段以下のタイトル経験のない、いわゆる若手が多く参加する棋戦です。女流や三段の棋士も参加するので、ほかの棋戦と比べて特徴があります。

古森四段は藤井五段よりもあとのプロデビューなので、まだ数少ない後輩ですね。斎藤明日斗四段と同期です。今局がデビュー2戦目です。

将棋は後手の古森四段が積極的に仕掛ける展開で勢いを感じました。角の打ち込みと歩成りから右辺を押さえようという狙いに対して、藤井五段は桂の飛車銀両取りになる筋に入ってしまいます(下図)。
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あわや藤井五段のうっかりかとも思いましたが、ここで解説陣も驚きの一手が出ます。5二金左です。

狙われている飛車を逃げず、守りの金を玉から離す考えにくいこの一手が実は絶品で、△4八桂成と飛車を取っても同金寄で、その後に角の逃げ道がないのです。結果角を取られれば、飛車角交換に先手の桂得となってしまうのです。

解説陣は、この手自体に驚いていたのはもちろん、その指し手の早さに感心していました。飛車角交換に桂得という筋が見えるものの、一時的には飛車損の瞬間があるわけで、もしそこで後手角が逃げる方法があったり、ほかの有力な手があれば先手の敗勢は濃厚になるわけで、普通はもっと考える時間が必要なはずだというわけです。

いったいどのあたりからこの展開を予想していたのか、恐ろしいです。

結果的にはこの局面から桂得となり、しかも角二枚桂二枚が駒台にある先手が、端から後手玉に攻めを仕掛けて勝ちとなりました。

藤井五段の驚きの発想が光る一局となり、17日に迫った朝日杯での羽生竜王との対局に弾みをつける格好になりました。