将棋指しは王手飛車の夢を見るか

観る将であり指す将。将棋の話題と勉強のメモをつらつらと更新します。目標はアマ初段!

【叡王戦】丸山九段vs高見五段

豊島八段、渡辺棋王を下すジャイアントキリングで遂にここまでやってきた高見五段、番勝負への最後の関門は、丸山九段でした。

山九段は実力者です。角換わりのスペシャリストの異名を持ち、独特な雰囲気では盤上外問わずの人気者。決勝トーナメントが決まったとき、彼の叡王獲得を予想した人も少なくないはず。

一方の高見五段は、軽妙なトーク力や、増田五段と容姿が似ていることが話題になったりと、どちらかというと将棋そのものよりも人柄が目立つ棋士でした。

この対局は既報の通り、高見五段が、角道を閉じるというファン驚愕の手を指した丸山九段に勝って、叡王戦決勝七番勝負へ進んだのですが、対局前のインタビューでは彼の今棋戦への熱の入り方がとても印象的でした。

普段通り謙虚で気の利いたコメントを連発していく高見五段でしたが、最後に彼はこう話しました。

みんなのために、とか言ってたんですけど、やっぱりここまで来て思ったのは、自分がすごい勝ちたいっていう気持ちが一番なんですよね。だから、自分の頑張りに報いるためにも、良い将棋を指したいです。

本当に率直で、素晴らしいコメントでした。プロデビューから六年あまり、ファンから見ればまだ若手という評価でしょうが、同年代の八代六段や三枚堂六段の活躍、あるいは藤井四段という怪物の出現など、多くの刺激に、おそらくなにか感じるところがあったのかもしれません。完全に、感傷に浸ったファンの戯れ言でしかありませんが、対局前のインタビューからは、物腰柔らかいその態度の奥底に、奨励会、そして三段リーグという地獄を這い上がってきた、勝負師としての闘志がはっきり感じられました。

高見六段(※)、おめでとうございます。同じように下馬評を勢いよくひっくり返してきた金井六段との七番勝負を楽しみにしています。

※高見五段は今回のタイトル挑戦で、規定により六段に昇段しました。